調べる技術・書く技術 (講談社現代新書 1940)

著者 :
  • 講談社 (2008年4月18日発売)
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あるテーマを設定し、それについて調べ、人に話を聞き、最後にまとめる技術を詳解するのが本書のねらいである。」という明確なメッセージで始まります。
本書は、デーマを決めて、原稿を書くまでの前段と、ノンフィクションを人物、事件、テーマを3つに分けて、それぞれどう書くかを書くかを示す、後段の2つにわかれています。
巻末に参照したノンフィクション作品が掲載されていてちょっとうれしかったです。

気になったことは以下です。

■テーマを決める
・何かを書こうとするとき、誰もが一度は立ち止まり、しばし途方に暮れるのは、あらゆるテーマがすでに書き尽くされているのではないかと思えてくることだ。
・だが、ここで諦めるのは早すぎる。もはや書き尽くされたかに見えるテーマでも、全く新しい輝きを放つ可能性があるからだ。
・これを書かなければ、死んでも死にきれない。このことを書きさえすれば、いつ死んでもかまわない。そういう切実なテーマがある人は、書き手として幸せである。

■資料を集める
・取材のとき、絶対に避けたいのは、先方に「こいつは俺のことを何もしらないのだな」とか、「この人、まるで無知じゃないか」と思われることだ。
・資料収集に対する基本的な姿勢は、「貪欲に、幅広く」である。

■人に会う
・取材の始めから終わりまでで何が一番大切かと問われたならば、やはり、「誠実さ」と答える
・取材の準備 ①収集した資料にはすべて目を通しておく ②なぜその人物に会いたいのか、会って何を知りたいのかを、もう一度自分に問いかけて、明確な答えを出しておく ③質問を思いつくまま箇条書きにしておく
・取材当日、絶対にしてはいけないのは遅刻である。できれば30分前に、遅くとも15分前に約束の場所についていたい。

■話を聞く
・まず、この取材の目的を改めて説明する
・インタビューのコツ、相手と同じ大きさの声で話す。
・インタビューの序盤。初対面の相手の緊張をほぐし、気持ちよく話せるような雰囲気づくりを心掛ける。レコードも、ノートも持ち出すまでに注意をする。
・インタビューの中盤。原則として、相手が話しているときには、口をはさまない。わからないことがあったら、その場で訊く。沈黙を恐れない。
・インタビューの終盤。これは訊かないほうがいいのではという質問がある。でも必ず訊くことだ。むろん、相手の気持ちには充分に配慮して、慎重に言葉を選んでだが。
・ノート:A4の左だけをつかって、メモをとる。右はあけておく。

■原稿を書く
・原稿のよりどころは、あくまでも、自分の取材ノートである。あなた独自の作品はここからしか生まれない。
・索引を紙1枚でつくる
・チャートを紙1枚で作る 

■後段:ノンフィクション
・ノンフィクションは、3種。人物、事件、テーマである。
・テーマは必ず1つに絞る
・ポイントは3つ、構想段階で考えておく。これよりも多くても少なくてもいけない
・ノンフィクションを成功させるには、適切な人物を早くみつけること

目次

プロローグ
第1章 テーマを決める
第2章 資料を集める
第3章 人に会う
第4章 話を聞く
第5章 原稿を書く
第6章 人物を書く
第7章 事件を書く
第8章 体験を書く
あとがき
本文で紹介したノンフィクション作品および主な参考文献

ISBN:9784062879408
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:254ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2008年04月20日

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年2月14日
本棚登録日 : 2023年2月11日

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