沈みゆく大国 アメリカ (集英社新書)

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  • 集英社 (2014年11月14日発売)
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沈みゆく大国 アメリカ
著:堤 未果
集英社新書

なんという欺瞞、オバマケアの真相

■被保険者の実態

もともと、アメリカでは、医療保険は、自己責任、
 ①雇用主を通じて医療保険に入る
 ②失業すれば、高額な医療保険を自己負担で加入しなければならない

⇒ 自己負担金は、125万で、免責は、50万 なんという高額
⇒ 全米50州のうち45州は、保険市場の50%以上が、1,2社で独占されている ⇒ つまり競争が起こらない
⇒ オバマケアのせいで、今までよりずっと条件の悪い保険に加入せざるをえなくなった
  補助金は、65000ドルの年間所得があるともらえない
  一生つかうことのない、妊婦医療・避妊薬・薬物中毒カウンセリングがついている

メディケア:65歳以上の高齢者と障害者・末期腎疾患患者のための公的医療保険
メディケイド:最低所得層向けの公的医療保険
そして、オバマケア

⇒ アメリカの医療保険は恐ろしく複雑 ⇒ 一般の人には理解できない
⇒ 政府が薬価交渉権をもっていないので、製薬会社は言い値で、薬を販売している ⇒ おそろしく薬が高い
⇒ オバマケア導入後、保険を加入させないために、フルタイムからパートタイムへ、そのために、労組の加入率が低下
⇒ メディケイドは、加入条件は非常に厳しい

■医療従事者の実態

肝心のオバマケアを扱う医師がみあたらない ⇒ アメリカでは病院が公的保険を拒否することができる
オバマケアを適用するためには、膨大な事務が必要 ⇒ 医療事務が膨大に増える ⇒ 医師の66%がオバマケアのネットワークにははいらない
⇒ 専門職の中で自殺率がいちばん高いのが医師 ⇒ ここでも、高額な訴訟保険 2000万の収入で、訴訟保険料が 1750万 ってありえない
⇒ メディケイドもオバマケアも、彼らを診れば診るほど、病院も、医師も赤字になってしまう

■真の勝者

保険会社
製薬業者

シングルペイヤー案を排除して、巨大な利益が得られるビジネスモデルを作って、全米を支配している
これが、真のオバマケアの実態だ

⇒ これを日本の国民皆保険制度、医療制度に導入しようとしている

<結論> アメリカの理不尽な保険・製薬複合体より、日本を守れ!

目次
はじめに 父の遺言
序章 「一パーセントの超・富裕層」たちの新たなゲーム
第1章 ついに無保険者が保険に入れた!
第2章 アメリカから医師が消える
第3章 リーマンショックからオバマケアへ
第4章 次のターゲットは日本
参考資料

ISBN:9784087207637
出版社:集英社
判型:新書
ページ数:208ページ
定価:720円(本体)
発行年月日:2014年11月
発売日:2014年11月19日第1刷
発売日:2015年02月24日第5刷

読書状況:いま読んでる 公開設定:公開
カテゴリ: ビジネス
感想投稿日 : 2023年12月14日
本棚登録日 : 2023年7月14日

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