書物狩人シリーズ、第5弾。
長編でまとめた前作から、再び短編集スタイルへと戻った今作もまた、変わらぬ安定感と質の高さを誇る。
ルーマニアのチャウシェスク政権による言論統制下で書かれた小説と正誤表を巡る駆け引き。
シリーズ内でも珍しく書物を尊重しない、一般人が巻き込まれたトラブル。
ロシア皇帝ニコライ2世の皇女アナスタシアと、英国の未解決猟奇殺人事件“ジャック・ザ・リッパー”を巡る、宿敵との攻防戦も続行されている。
書物の内容以上に、それらをいかに政治的に、利己的に扱うかによって、奇譚は限りなく生まれ出るということを改めて痛感する巻となっている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(ミステリ・サスペンス)
- 感想投稿日 : 2012年7月15日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2012年7月15日
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