枕草子 (プリンセスコミックス)

著者 :
  • 秋田書店 (1990年7月1日発売)
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本棚登録 : 44
感想 : 5
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 作者の歴史漫画を読み続ける契機となった、「春霞の乱」。
 河村作品のヒロインは、気の強い美女か控えめで健気な女性か悪女か、ほぼ三系統に分けられる。
 おたあジュリアの美しさと気丈さは、強気な美女系の走り。
 徳川家康の権力に屈しなかった異国の姫の存在を、初めて知った当時は驚いた。
 慕い合いながら結ばれずに死に別れた、幼馴染みの小西行友との悲恋が痛くて仕方ない。

 「緋色の蝶」は、平教経と従姉の徳子の、恋情未満の淡い交流。
 男性キャラの類型として、好きな女に頭の上がらない男も、河村漫画には結構多い。
 また、平敦盛の討死と熊谷直実の出家の関連は怪しいとも聞くが、「幻夢」での庶民の娘を交えた無常観は、素直に受け止めてみてもいい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2011年4月2日
読了日 : -
本棚登録日 : 2011年4月2日

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