20世紀初頭、日露戦争終結後のフランスの都・パリを舞台に展開する、異邦人ミステリ小説。
欧州を巡業する日本の曲芸団の番頭が探偵役となり、方々から持ち込まれる奇妙な相談事を解決してゆく連作短編集。
路頭に迷った日本人青年が一座に転がり込み、番頭の助手として謎解きに同行するが、終盤では、青年自身が陰謀の渦中に巻き込まれてゆく。
背後に秘められた動機の解明と、主人公二人の心の交流。
そこに、近代ヨーロッパの異国情緒が交錯し、時代の風俗を反映した生活描写も相俟って、作中の古風な雰囲気と繊細な郷愁を高めている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説(ミステリ・サスペンス)
- 感想投稿日 : 2021年5月21日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年5月21日
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