昭和30年前後、女たちは西成界隈に住む底辺層で哀感と投げやりな雰囲気が漂います。語り出し、語り口が上手く、すぐに物語に引き込まれます。ディテールが丁寧なためリアリティがあります。読み終えて余韻が残る佳品揃い。「女蛭」は異色作。出世欲が強く保身しか考えない性根の腐った主人公が追い詰められていく話。女性の体臭まで感じさせるような濃密な描写でサスペンス感いっぱいでした。女性を怒らせると怖い。いずれも昭和文学のレベルの高さを感じました。
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- 感想投稿日 : 2019年10月20日
- 読了日 : 2019年10月20日
- 本棚登録日 : 2019年10月20日
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