飛田ホテル (ちくま文庫)

著者 :
  • 筑摩書房 (2018年2月7日発売)
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本棚登録 : 124
感想 : 12

昭和30年前後、女たちは西成界隈に住む底辺層で哀感と投げやりな雰囲気が漂います。語り出し、語り口が上手く、すぐに物語に引き込まれます。ディテールが丁寧なためリアリティがあります。読み終えて余韻が残る佳品揃い。「女蛭」は異色作。出世欲が強く保身しか考えない性根の腐った主人公が追い詰められていく話。女性の体臭まで感じさせるような濃密な描写でサスペンス感いっぱいでした。女性を怒らせると怖い。いずれも昭和文学のレベルの高さを感じました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年10月20日
読了日 : 2019年10月20日
本棚登録日 : 2019年10月20日

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