隠された十字架―法隆寺論 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1981年4月28日発売)
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「世界で最も古い木造建築群」として世界遺産に登録されている法隆寺が実はありがた~い教えを実践するお寺ではなく、聖徳太子の怨霊を鎮めるための「たたり寺」であった…。

著者の大胆な仮説に基づいて、法隆寺のなぞ解きを著者の仮説に沿ったロジックで進めていく強引さが小説より面白い。

歴史とはその時に実際何が起こったかだけではなく、どうしてそのようなことが起こったかを想像する=妄想するのが面白い。

一人ひとりが好き勝手な視点から妄想を膨らませ、仮説を立て、検証済みの事実と自分の妄想にあう推測を混ぜ合わせてストーリーを作る。
その最たるものがこの一冊か。

著者のロジックは強引ながらも、「そうかもしれない」と思わせる事実もあり、また法隆寺に行ってみたくなる。

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感想投稿日 : 2013年4月14日
本棚登録日 : 2013年4月14日

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コメント 1件

yoshihikoteguriさんのコメント
2013/04/14

どんなものにも,それが出来た時のダイナミクスがあったはずなので,それを読み解く,それを妄想する,それが歴史の醍醐味ですね.

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