本を読めなくなった人のための読書論

著者 :
  • 亜紀書房 (2019年9月20日発売)
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感想 : 125
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本を読むことを好きでよかったなぁ。本を読む嬉しさを改めて考えさせてもらった。というより感じさせてもらった。…という表現の方がこの本にはあっているかな?
読書について見直すきっかけになった。
本を読みたいと思うけれど、、、中々進まない。読み終えた本の数、今注目されている本にばかり目がいってしまっていたなぁと思った。
読書は自分との対話。本が読めなくなったということは、今までの読書の方法?(感じ方)から自分が一段階レベルアップしたという話が納得できたし、面白かった。どんどん本を読みたくなった。
また読めなくなったら戻ってきたい1冊。










★「読む」とは、「ひとり」であるところに始まる、言葉を通じて行う無音の対話なのです。

★不思議に聞こえるかもしれませんが、出会うべくして出会った本が教えてくれるのは、「本当に必要なものは、すでに私たちの中にあって、私たちはそれを見過ごしているだけだ」という現実なのです。
★出会うべくして出会った言葉が、私たちにもたらしてくれるのは、新しい「情報」と言うよりも、すでに心のなかにあるのに、私たちが見過ごしてしまっている何かなのです。

★「読む」と「書く」ことは呼吸のような関係です。読めなくなっているのは、吐き出したい思いが、胸にいっぱいたまっているからかもしれません。

★大切なのは、言葉に出会い、言葉を糧とできるかどうかであって、多く読むことではありません。大切なのは「たしか」に読むことです。
★食べ物が私たちの体の糧であるように、言葉は私たちの心の糧です。

★「読む」とは、今日まで生きてきた、すべての経験を通じて、その日、そのときの自分を照らす1つの言葉に出会うことに他なりません。

★「見る」と言う言葉は、今、目の前にあるものを「みる」ことです。しかし、「観る」という言葉は、単にものを「みる」のではなく、「みえてくる」ということを意味しています。

★人がよいと言ったものではなく、自分がほんとうに必要だと感じたものを必要なときに手にする。その言葉は、たった1行の、あるいは1つの言葉である場合も少なくないのです。

★大げさに聞こえるかもしれませんが、読者への態度は、人生の態度と似ています。読書を楽しんでいる人たちの多くは、自分の読みが、不完全であることを受け容れているのです。そして、誰かと競争するように読むことも止めています。

★本を読めなくなった、ということは、自分の旅は、自分で作るときがやってきた、という人生からの合図です。
★本を読めなくなっているというのは、新しい読書の次元が開けると言う人生からの合図。

★人は、日々、変化している。日々、新しく世界と向き合っている。昨日興味を持てなかった本に、今日、「人生の一語」を見つけることは、けっして珍しくないのです。

★「心が動かされながらも、読み通せなかった本」を、ゆっくり読み進める。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月13日
読了日 : 2022年10月13日
本棚登録日 : 2022年10月13日

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