主人公の宏助が偶然知り合った雪子とともにローレンにまつわる謎を探っていく前半は、想像力をかきたてられて楽しい。ローレンはどんな人生を湯んできたのか、なぜ宏助を助けたのか。そして宏助自身どんな生活を営んでいるのか。前半に浮かぶ疑問は、すべて後半で明らかになる。もう、一気読みである。
子どもへの虐待が社会で論じられる昨今、タイムリーな一冊だった。目の前の子どもの様子を察し、助けるような大人が少なくなっている今、大人への反省を促す内容となっている。
雪子の親友が姿を消した本当の理由とその後の顛末は、ちょっとドラマ的だが、ローレンの存在感は大きい。
心地よい終わり方がとてもいい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
日本作家か行
- 感想投稿日 : 2020年2月22日
- 読了日 : 2020年2月22日
- 本棚登録日 : 2020年2月22日
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