前作「黒猫館の殺人」を読んだのが2000年代初頭だったので、私にとってはおおよそ20年ぶりの《館シリーズ》
上下巻合わせて1,300頁越えのシリーズ最長編だが、連休を利用して一気に読んだ。異形の登場人物達と仕掛けに満ちた巨大な館を舞台にしたクローズドサークル。新本格の旗手と称される著者らしさ満載だ。
事件が起きるまでのくだりが長く、途中色んな謎が出てきては解決が“後回し”にされ、やきもきする場面が多かった前半。
一方、第二の事件が起きて以降、前半でばら撒かれた数々の謎が次々と解き明かされていく後半は驚きの連続で読み応えあり。これまでのシリーズに出てきた小道具や登場人物が物語を彩る構成からして、“集大成”の位置付け。オチは賛否両論か。
なお、本書を含めた《館シリーズ》は、順番に読み進めることを強くおすすめする。これから初めて読み進められるあなたは幸せです。
週刊文春ミステリーベスト10 3位
このミステリーがすごい! 7位
本格ミステリ・ベスト10 2位
《館シリーズ》
1.十角館の殺人
2.水車館の殺人
3.迷路館の殺人
4.人形館の殺人
5.時計館の殺人
6.黒猫館の殺人
7.暗黒館の殺人
8.びっくり館の殺人
9.奇面館の殺人
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本格ミステリ
- 感想投稿日 : 2023年5月7日
- 読了日 : 2023年5月7日
- 本棚登録日 : 2023年5月5日
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