「王とサーカス」に登場した太刀洗万智が新聞社を経てフリー記者として活躍する短編集。
長身長髪に切れ長の目、クールで鋭い洞察力を持つ太刀洗万智の“できる女感”が魅力的。
表題作「真実の10メートル手前」は、何気ない会話のフレーズから推理を組み立てて徐々に真相へ近づいていく様が良い。
「名を刻む死」と「綱渡りの成功例」は、罪悪感に苛まれる事件の当事者に寄り添った太刀洗万智の気遣いが胸を打つ。言葉選びも巧みだ。
謎めき度と意外性は「恋累心中」が秀逸。第三者目線から太刀洗万智の特長を描くのも良い。
「ナイフを失われた思い出の中に」は、“手記”が16才の少年が書ける文体では無いよなーと違和感を持ち、中々話に入り込めなかった。
太刀洗万智が登場する〈ベルーフ〉シリーズ最初の作品「さよなら妖精」も読んでみようっと。
週刊文春ミステリーベスト10 2位
このミステリーがすごい! 3位
本格ミステリ・ベスト10 7位
SRの会ミステリーベスト10 8位
ミステリが読みたい! 1位
〈ベルーフ〉シリーズ
1.さよなら妖精
2.王とサーカス
3.真実の10メートル手前
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
本格ミステリ
- 感想投稿日 : 2023年10月21日
- 読了日 : 2023年10月21日
- 本棚登録日 : 2023年10月21日
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