強い男とは、ヒーローとは、娘の父親であることとは。
暴力をふるわれ、高校生の娘を傷つけられたさえない父親が、喧嘩の達人の高校生と、真っ当に戦うために特訓に明け暮れるひと夏の物語。
大怪我をした娘のために怒れなかった、戦ってやれなかった無力さを感じるおじさん。
誰だってそうなる。しょうがない。
でもそこで終わらなかった。おっさんが、喧嘩の特訓のために、ひと夏仕事を休むとき、同期の上司に語った娘への思いが、不器用でまっすぐでじんときた。
喧嘩の達人、舜臣との絆が深まっていくのもいい。
師匠と弟子の関係だけど、特訓のお礼にスニーカーを買ってあげるところ。この照れくさいやらなんやらで落ち着かない舜臣が、ちゃんと高校生なんだなぁってわかって愛おしい。
絶対口にはしないけれど、「男の子もほしかった」と、舜臣を見て思うおっさんもいい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年12月15日
- 読了日 : 2023年12月11日
- 本棚登録日 : 2023年12月11日
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