悪貨 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社 (2010年6月21日発売)
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悪い貨幣と書いて悪貨
経済小説とでもいうべきお金に関するサスペンス

あるホームレスが100万円を拾う。しかし、それは全て偽札だった
偽札鑑定のスペシャリストによると、それは今までで最も精巧に造られた偽札
偽札作りの捜査線上に浮かんだのは、中国から日本の企業に巨額の投資を繰り返す野々宮という謎の男
・その野々宮に恋心を抱いてしまった、女スパイ刑事エリカ
・貧民救済のための共同体を立ち上げた野々宮の恩師、池尻
・印刷工場をクビになり、偽札づくりに加担せざるを得なかった男
・中国人の黒幕
ユニークな登場人物の波乱万丈な人生とともに、
日本の貨幣経済は崩壊へと向かっていく
そのとき国が下した結論とは・・・
偽札が、人生を狂わせ、国家をも狂わせていく・・・


世の中への大いなる警鐘。貨幣経済のもろさが描かれていた・・・怖い

中国で大量の偽札を作る
→日本に大量の投資(中国の資産)
→日本はインフレ・物価が高い
→円が暴落
→土地や資源は中国のもの。中国の領土

ホームレスの皮肉
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず
 でも、1万円札の諭吉はこう言いたかったのだ
カネは人の上に人を造り、人の下に人を造る」

「しおり」が零円貨幣
1万円札の数値かゼロ

お金って何だろう、権力って何なんだろう、国家って何なんだろう
簡単なテーマではないが、経済学に詳しくない僕でも
小説として設定やストーリーが面白いから一気に読めてしま

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感想投稿日 : 2010年8月19日
本棚登録日 : 2010年8月19日

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