1979年のキングの初期の作品であるが、根底にあるものは完成されている。ザ・スタンドのような壮大な物語はそこにはないが、ここではひとりの青年の心のうちにある深い世界が描かれている。1ページ目からどことなく漂う物悲しさがラストまで少しずつ降り積もってていく流れは、ジョニーの朗らかな性格と対比されて、読んでいて胸が詰まるものがある。哀しい物語と読むことはできるが、キングを良く理解している読者であれば、根底にある思いは救いの物語であることは容易に気づくだろう。
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- 感想投稿日 : 2021年8月29日
- 読了日 : 2021年8月22日
- 本棚登録日 : 2021年8月1日
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