もろにアパルトヘイトを下敷きにしているし現地の環境をそのまま舞台に生かしているので社会派な雰囲気はあるけれど、宇宙人の造型やアクション、ちょっとコミカルだったりする演出やドキュメンタリー風な作り等ちゃんと娯楽性がある映画(これは制作者側がちゃんと意識して作っている)
宇宙人だからといって皆知性が高いというわけはなく、本当に彼らは一般人であり難民なのだ。(どうやら上層部は死んでしまったと推測されている)なのであっという間にスラム化してしまう。そもそも感情もあまり豊かではないようで、(設定では彼らは働きアリ等と一緒)コミュニケーションもおぼつかない。積極的に環境を改善するという発想もない。あまりにも無力な存在として描かれているのが面白いのだ。そして、主人公ヴィカスのなかなかヒーローになりきれない凡人ぶりもいい。常に逃げようとする小狡さ、間抜けさが人間くさい。ラストはスッキリしなくて好みじゃないという人もいるけれど、果たしてこの後、問題は解決するのかとか想像する余地があるのもドキュメンタリー的でいいんじゃないかな。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
映画
- 感想投稿日 : 2016年10月5日
- 読了日 : 2016年10月5日
- 本棚登録日 : 2016年10月5日
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