子どものための哲学対話 (講談社文庫)

  • 講談社 (2009年8月12日発売)
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本棚登録 : 1611
感想 : 111

あさイチで、川上未映子さんが紹介されてたのをきっかけに購入。
平易な文章で、ページ数も少ないんだけど、これを「読み終わった」と言える日はくるのか?
死ぬまでにある程度理解できたらいいな、と思うくらいあらゆることが詰め込まれていた。

・困ってる人を助けてはいけない?
体験してない苦しみに共感することは、それをエンタメ的に消費することと紙一重だと思うので、頷きながら読んだ。
当事者と自分との断絶を無視して、分かるよ同じだよ、と言えてしまう人は信用したくない。

・元気が出ないとき、どうしたらいいか?
楽しいことは、それ自体で満ち足りているから忘れても平気。
嫌なことは、忘れることで自分にとって重大な何かが失われてしまう気がするから、何度も反芻してしまう。
たしかに…。嫌な記憶に何年もこだわり続けてしまうのは、そこに自分の核だったり、譲れないものがあるからかも。
そう考えると、自分とは何かを考えるヒントがそこにある気がしてくる。

・「強さ」について
失敗を重ねてばかりでも大丈夫、ここぞというときに決められたらいい。って番組内で川上さんが仰っていたのは、この章からきてるのかなと思った。

ネアカとネクラ、上品と下品についての記述を読んで、昔何かのインタビューで、蒼井優さんが「自分の人生に集中してる人が好き」と言っていたのを思い出した。
人間として正しい姿はそれだ、と感じつつ、自分からは程遠いので印象に残っていたのだ。
ネクラで下品な人には、借り物でいいから理想を設定することが必要だと本には書かれていたが、悲しいかなそれが難しい。
満たされてるわけじゃないけど、ただ日々を過ごす以上のことができない。
折に触れてまた読み返しつつ考えたいと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年1月4日
読了日 : 2020年1月4日
本棚登録日 : 2019年12月31日

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