翼あるもの 上 (文春文庫 290-4)

著者 :
  • 文藝春秋 (1985年5月1日発売)
3.52
  • (8)
  • (2)
  • (14)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 78
感想 : 6
3

栗本薫22歳のときの著作。なんだか10代のころは大江健三郎を除いて作家はみんな年上だったけど、すっかり年下の作家の作品を読むような年齢になってしまって、これが人生か…とか思うようになった…。
内容的には、真夜中の天使のプロトタイプ版か。真夜中の天使の片鱗は見るが、あれを読んだあとだとこちらの方が荒削りだけど短く栗本薫の描く良の存在のポイントがまとまっていていいなと思う。同じことの重複なので、基本的には2冊読む必要はないかもですが。よくもまあ、このようなナルシスを持つ男を徹底的に執着を持って書き続けられたと思う。そこには何かしらの切実さがあったのでしょう。その切実さの影を掴みたい。下巻の森田透視点が重要らしいので、それを読んでから総合的な部分が見えてくるのだと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本小説
感想投稿日 : 2018年8月10日
読了日 : 2018年8月9日
本棚登録日 : 2018年8月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする