鴎外の「舞姫」 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編 (角川ソフィア文庫 144 ビギナーズ・クラシックス 近代文学編)

  • KADOKAWA (2006年4月25日発売)
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 旧士族階級の出身で、母の期待に応えようと勉強した豊太郎は、やがて明治新政府の要請で先進国ドイツに派遣される。派遣当初は、ドイツ語やフランス語が流暢だとほめられては気をよくしていた豊太郎だが、やがて、自分がただ認めれたいがために努力してきた「受け身」人間で、社会で大活躍できる政治家でも、完璧に法律をあやつる司法官にも向いていないことに気づき愕然とする。
 やがて、酒にも遊びにも付き合おうとせず、友人たちからも孤立していく豊太郎。
そんなある日、夕方の散歩に出かけた豊太郎は、うらぶれたユダヤ人街で声を出さずに泣いていた少女を見かけ、思わず声をかける。エリスと名乗るその少女に同情心を抱き、彼女を自宅まで送り届けることにしたのだが……

 異国で恋に落ちるも、身勝手さと意志の弱さで、大切な人を永遠になくしてしまうことになる豊太郎の物語。現代語文と解説&資料で、「舞姫」の世界をたっぷりと味わうことができます。
 特に、これでもか!と思うほどの「ツッコミ」が気持ちいい解説文が魅力的。その後じっくり鴎外の文章を味わうと、また楽しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 古典・近代文学
感想投稿日 : 2011年9月29日
読了日 : 2011年9月13日
本棚登録日 : 2011年9月13日

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