鉄のしぶきがはねる

著者 :
  • 講談社 (2011年2月25日発売)
3.80
  • (20)
  • (68)
  • (42)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 379
感想 : 78
4

 北九州工業地帯を支える下請け企業の小さな町工場が並ぶ、北九州工業高校。三郷心(みさとしん)は、機械科1年生、たった一人の女の子だ。
 三郷金属工業の社長の孫として、幼い頃から工場で育ったような心だったが、従業員の裏切りから祖父の死、会社の倒産と不幸が続き、腕のいい旋盤工だった祖父を慕いつつも、「ものづくり」からは遠いコンピュータの道を選んでいた。
 そんな心に文化祭限定で「ものづくり研究部」からの誘いが……。即答で断ったはずが、もの研メンバーの様子や油のにおい、手の感触に心惹かれるようになって……

 気持ちのいいYAでした。専門用語はちっともわからないけど、そんなことは気にならないくらい、「ものづくりは楽しい」というメッセージがびんびんに伝わってきて……。もの研の少年少女の真っ直ぐ思いに心を打たれました。心から夢中になれるものがあるというのは、本当に素敵なことですね。
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: YA
感想投稿日 : 2011年8月31日
読了日 : 2011年8月19日
本棚登録日 : 2011年8月19日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする