高坂凪穂さんの感想・レビュー

最後の晩餐

著者 : フィオナ・マクラウド 松村みね子

• 2012年10月5日発売

　Kindle版ではなく、『かなしき女王―ケルト幻想作品集』で読みました。

　現代ファンタジーのようなエンタメ性は無いので、人によっては面白くないと思いますが、スコティッシュ・ケルトの宗教観が伝わってきます。
　松村みね子氏の訳は、古風で読み辛いですが、現代的な訳では良さは伝わらないでしょうね。文章表現はとてつもなく美しい。フィオナ・マクラウド氏の残酷だが妖艶なスコティッシュ・ケルトと、松村みね子氏の大正の幽玄な日本語訳が渾然一体となった世界に連れて行かれそうです。

　タイトル通り、｢最後の晩餐｣をテーマにした作品。異様な雰囲気で、恐ろしくも悲しい印象が強く残りました。

感想投稿日 : 2022年8月26日

読了日 : 2014年10月30日

本棚登録日 : 2022年8月26日