近親殺人: そばにいたから

著者 :
  • 新潮社 (2021年5月18日発売)
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日本で殺人事件数は年々減ってきていますが
親族間殺人は減っていないので
全体に占める割合が増えているという結果になっています。

著者はここで実際に起こった7つの事件を紹介。
人はどんな理由から家族を殺すのか。
事件が起こる家庭と、そうでない家庭とでは何が違うのか。
この問いに関する答えを、読者に見つけてほしいといいます。

私が思ったのは、被害者加害者のどちらか、あるいは両方に、精神的な病をかかえている人がいるということ。

こういうとき人は「精神科に行くのがよい」といいます。
テレフォン人生相談の高橋龍太郎先生(私この人好き)もそうおっしゃいます。

でも本当に精神科心療内科にいけば治るのでしょうか?

私は長年付き添いをしていました。
先生は話を聞いて薬を処方するだけでした。
けっきょく完治することなく通院を終了しました。
でもその後、たぶん本人のかかえている問題が解決して
元気になったのだと思います。

だから問題ない時からメンタルヘルスの情報を
テレビ本ネットなどから得ておくこと。
風邪と同じように、予防し軽いうちに治すこと。
重くなったら医者だけでなくカウンセリングも選択肢にいれるといい。

ただ、これらはあくまで幸せな家庭に起こった事件のこと。
幼いころから虐待されている子供たちについては
ものすごく心痛みますが、予防の手段は思いつきません。

余談ですが、著者石井光太さんとは今回初めて関わったと思っていました。
でも3年前、芥川賞候補作盗用事件があったとき
問題の作品を読んだのですが
その時盗用されたのが石井さんの作品であったことがわかりました。
初対面ではありませんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆社会政治経済☆
感想投稿日 : 2021年8月4日
読了日 : 2021年8月4日
本棚登録日 : 2021年8月4日

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