公安調査庁-情報コミュニティーの新たな地殻変動 (中公新書ラクレ 692)

  • 中央公論新社 (2020年7月8日発売)
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このお二方の対談は
『独裁の宴 - 世界の歪みを読み解く』
『米中衝突-危機の日米同盟と朝鮮半島』
『日韓激突-「トランプ・ドミノ」が誘発する世界危機』
を読んだので、今回のタイトルには
「は?なんですか、それ」と思いました。

しかしこの公安調査庁というのはスゴイです!
〈国家の安全を脅かす団体や人物についての情報を集める機関で、法務省の下に置かれています。
警備・公安警察とは違い、強制捜査、逮捕権などを持たず、収集した情報は合同情報会議などを通して内閣に上げるまでが仕事です〉

記憶に新しいところでは、2014年イスラム国に外国人戦闘員として加わる目的で渡航しようとしていた北大生の行動をくいとめた事件。

かっこいいでしょう?
しかも彼らは名刺をきったり手帳を見せたりせず
寄る辺なき立場で調査活動を行います。
隠れて見ていてパトカーで追いかけてきて
「一時停止しなかったぞ」「進入禁止だ」などと言ってくる連中とはえらい違い。

イギリスでは彼らのような仕事をドラマにして国民に見せているけど、日本では知名度低い。
公安調査庁の公開情報『内外情勢の回顧と展望』を開いてみたらいいそうです。

手嶋氏のまえがきより
〈公安調査庁は、かつてオウム真理教が起こしたサリン事件を手がけた経験を持ち、生物・化学兵器に対する豊富な情報を蓄積している。世界の感染症とウイルスの専門家から貴重なヒューミント(人的情報収集)を集めて、収集・分析し、政治の意思決定に貢献できる潜在力を秘めている。未曾有のパンデミックに見舞われたいま、独自のインテリジェンスこそ、ニッポンが生き残る力となるーその冷厳な事実を本書から汲み取っていただければと願っている〉

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 池上・出口・佐藤
感想投稿日 : 2020年8月2日
読了日 : 2020年8月2日
本棚登録日 : 2020年8月2日

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