前半は、マルクスの「資本論」を下敷きに、資本主義の本質を説明していきます。
たとえば、個人が仕事の成果を2倍にしても給料は1.2倍くらいにしかならない仕組みが理解できます。
後半は、それを踏まえ、この資本主義世界の中での働き方を考えていきます。
(ブログを書こうと思っているのですが、どう書こうか迷います。結論と言うかネタばれさせて書いてはそのあと読んでも面白らさは半減するし、かといってそこに触れずに書くのはどうしたらいいのか、と思っているわけですが)
おそらく、為政者や富裕層の一部の人は
「寝た子を起こすようなものを書きやがって」
と苦々しく思っているだろうと想像しています。
とにかく、読み出したら途中でやめないことをお薦めします。
中途半端なところで読み終えると、ホントに絶望的な気分になって、仕事をするのがバカバカしくなる可能性がありますから。
「ここは起業するしかないか」「外資だよね、やっぱり」
という短絡的な結論に達しかねないので。
キチンと、最後まで読めば、それが必ずしもベストではない、という理由もわかります。
資本主義の中では、「雇用される者」は不利な立場なのだ、ということが分かってします本ではあります。知らないまま過ごした方が、疑うことなくがむしゃらに働くことができるかもしれません。だから「私は寝た子なんだから起こさないで」と思う人は読まない方がいいと思います。
ですが僕は、
「知った上であえてその境遇の中でより良い方法を考えながら働く」
ことと
「知らずにそのまま(不平不満をためながら)働く」
ことには雲泥の差があると思います。
だから、多くの人が読んで、そして考えてみることは大切だと信じています。
そして、このろくでもない資本主義をどうすればいいのか。マルクスの分析は素晴らしいけれども、その解決策はダメだ、ということは歴史が明らかにしてしまっています。では、資本主義に代わるシステムはあり得るのか。そんなことを考えるきっかけにも成り得る本です。
- 感想投稿日 : 2012年9月4日
- 読了日 : 2012年9月4日
- 本棚登録日 : 2012年9月4日
みんなの感想をみる