渋沢栄一伝 (岩波文庫 緑 12-18)

著者 :
  • 岩波書店 (2020年11月17日発売)
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感想 : 12
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露伴の格調高い文だから読めたけど、立身出世した後は、ドラマにしたらかなり退屈じゃないだろうか。

後半生は在野にあったとはいえ、その基礎は一橋家に入り明治政府の官吏時代にほとんど築かれたといっていいだろう。士農工商の身分制は制度上はなくなったとはいえ、官尊民卑の世の中、民間でそんなにいろいろできる訳がない。
渋沢は、伊藤、井上、三井が仲間で、大隈、岩崎とは対抗することが多かったようだ。

明治政府について、御公卿様や田舎武士や素浪人共に政治の実際実務ができようはずがないと書いているのは、いかにも東京人露伴らしい。渋沢以外の人物評も面白い。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史
感想投稿日 : 2021年3月7日
読了日 : 2021年3月7日
本棚登録日 : 2021年2月20日

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