アラビアの医術 (平凡社ライブラリー ま 2-2)

著者 :
  • 平凡社 (1996年5月10日発売)
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感想 : 1
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科学と宗教って相反する時があって(エデンの園と進化論みたいな)、西アジアはめっちゃ科学が発達してみんな勉強家な面と、根強いアッラーの教えが共存している地域なんだよね。特に医術って生命に関することだから、微妙なところじゃん。興味深い!

アラブ地方では、病気はジンとか邪視のせいだ、と言われ、治るも治らないも神の一存という考え方もある一方、おまじないだけじゃなくて、効果のある薬草やお酒?なんかの研究から、次第に医術は発展してきた。ギリシアは別として、中世ヨーロッパがかなり荒治療を行っていた頃から、症例や効果をコツコツまとめ、医学書を作ってきたイスラムの皆さん。やっぱすごい!万能薬のテリアカは、なんと日本まで渡ってきたらしいよ!

医者はお金持ちに仕える仕事だったから、資金も豊富だし、研究も執筆も盛んだったんだろうね。民間ではやっぱり、アッラーの思し召しと身を委ねる方が多かったのだろうか。薬屋さんは街角にもいたみたいね。

著者はかなりの読書家だったらしい。文章はとても読みやすく、内容もエピソードをまとめた形でとっつきやすい。西アジアって日本人にはなかなか遠い世界だと思うんだけど、これくらいの本から攻めてみると良さそう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 地理
感想投稿日 : 2014年1月28日
読了日 : 2014年1月27日
本棚登録日 : 2014年1月27日

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