娘は男親のどこを見ているか (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社 (2003年5月21日発売)
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感想 : 10

話半分で読めばそこそこ面白いかな。
『男性は……』『女性は……』とか『父は……』『娘は……』『息子は……』みたいなのが続くのが少し苦痛。全てまとめて脳内で『人間は』とか『他人から』とか、変換するとそれなりに読めた。



女性は傷つきやすいってなってるけど、男性だって傷つきやすい人はいるだろうし。ただ、それが女性とは全く違う視点の場合が多い……というなら理解するけれども、主語が大きすぎて苛立ってきてしまう。



父は『娘のサイン』を受け取ってオスではなくなる。みたいなものが続くけれど、これ……『娘のサイン』を出さなかった娘が悪なのか?それとも、受け取らないと『娘のサイン』は出されなくなるのか?(最初はみんな出しているものなの?)
その辺りがいまいち分からなくて、サインを出さない娘が悪なのかなーと感じてしまってちょっと苦痛。
と、色々と難点があるけれども、『愛とは』みたいなものの話はそれなりに納得しながら読めた。あと、主語を脳内変換すれば内容は悪くはないとも思う。



父親とお風呂に入るのは、娘から父親として認められているから…みたいなものだけは、なんか、イマイチな気がした。
この本のケースは基本『幸せな家族。娘の事を愛している父親の話』として書かれているかもしれない。
けれど、この世界には『娘の事を女として愛している父親』というのが存在する。いや。この本に合わせるなら『オスとしてメス(娘)を愛している父親』
こんな父親の場合、無言の圧力で娘の上に君臨する。
いや。元々親と子供の立場は対等ではなくて、親の方が強い。無言で子供を従わせるというのはどんな親でもやってしまう事だと思う。
子供は親の顔色を窺うことで生き延びているのだから。
…で、無言の圧力で「嫌だ」が言えないだけで、ずっと一緒にお風呂に入っている娘というのもありえるわけで。
そんなパターンでも「娘と一緒にお風呂に入れるのは父親として認められているから」みたいなものに当てはまってしまうわけで。

……認められてないからね。認められてないパターンもあるんだからね。
お風呂に一緒に入れることを父親として認められているパラメーターにするのは危険だと思った。



良い事も書いてある中に、サラッとこんな怖い事を入れないでほしいと思う。良い事がぐるっと裏返って『性的虐待(もしくはセクハラ)親』にも当てはまるという話になってしまうではないか。

親が親として認められているかどうかを計りたいのなら、『子供が幸せな人生を生きているかどうか』『それを共に喜べるかどうか』で計って欲しい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 社会問題
感想投稿日 : 2023年12月12日
読了日 : 2019年4月10日
本棚登録日 : 2023年12月12日

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