前著「ブラック企業」(読んでない)がブラック企業そのものに注目したらしいのに対し、これはビジネスとしてブラック企業に寄り添う面々に注目したもの。
例えば、ブラック企業の被害者(従業員、元従業員、ルポライターなど)に対して圧力的な要求や裁判をふっかけるのは、そういうのを生業としている弁護士(ブラック弁護士)がいるから。この場合、企業側が負けてもブラック弁護士側は商売として成り立っている。万が一、企業側が敗訴・廃業となったとしても、ブラック弁護士は痛くも痒くもない。
またブラック弁護士活躍の背景の一つが司法制度改革。弁護士が増えても裁判官が増えないので弁護士が余る。そうすると若い経験のない弁護士は経験を積むことができず食えなくなってしまう。そうすると名義貸しというようなことまでやってしまう。
さらに学校もブラック企業を支えるビジネスの一つ。学校のうりの一つが就職率。ブラック企業に卒業生をどんどん送り込むを就職率がアップ。で、卒業生がどんどん辞めていくと、さらに次の卒業生を送り込むことができる。まさに持続可能な世界。
あと家庭(親)もブラック企業を支えている。せっかく入社したんだから諦めずに頑張れよ、とか。
ブラック企業の被害者は若者だけかというと、決してそんなことはなく巡り巡って社会全体のコストを上げている。
なので、社会全体で考えていくべき問題。
とはいっても、アンケートを取ってみるとブラック企業と呼んで企業をいじめている、というような意見も少なくないとか。
難しいね~
とちょうど昨日のニュースだと、ハローワークがブラック企業の求人拒否を検討しているそうで。
いいことだと思う。
とそんなこんなでいろいろおもしろかった。★4つ。
- 感想投稿日 : 2015年1月7日
- 読了日 : 2015年1月7日
- 本棚登録日 : 2015年1月7日
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