復活の地 1 (ハヤカワ文庫 JA)

著者 :
  • 早川書房 (2004年6月10日発売)
3.88
  • (67)
  • (87)
  • (93)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 649
感想 : 42
5

物語の初っ端から目を覆いたくなるような悲劇が続く。これは小説で良かった。映像だと刺激が強すぎるから。
災害が続く昨今、大地震がいつ起きてもおかしくないし、この話の中のような状況もあり得るかもしれない。人はこんなふうに行動するのかもしれない。
でも何より主人公が格好いいなぁと惚れ惚れしながら読みました。
自分を使い潰すように働くのに報われず、思うように動いてくれない人々に苛立って、理不尽な不平不満や恨み言をぶつけられて、邪魔されて、利用されて。
なんでこんな人間達を自分が救わないといけないんだなんて怒りながら、結局は汚れ役、憎まれ役を果たして献身する姿がもう本当に格好いい。
願わくば、さらっと流されてしまった多くの登場人物達のエピソードを丁寧に膨らませていったら、もっと血の通った物語になったんじゃないかな。
とはいえ、非常に面白かったです。読めたことに感謝!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年7月10日
読了日 : 2020年7月10日
本棚登録日 : 2018年4月12日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする