どんなに小さな出来事だって、ねえねえ聞いて、と言える人がいるからこそ、小さかった出来事に、ちっぽけな自分に、輝きが増す。生きてていいんだな、と思える。
大手書店の片隅で、ヴィレッジヴァンガードの一番目立つところで、他の作品とは異なる光を放っている、そんな作品でした。まるで秋に蛍を見つけるような。
たくさんのアーティストが、自分の生を表現した作品で溢れている現代社会。もしもわたしが20代前半だったら、もっともっと刺さってきたかもしれない。同類の作品に触れてきたアラサーには、少しだけ、むず痒さと「どこかで聴いた何か」を感じてしまう作品でした。エンターテイメント作品とは異なり、頭の中で景色・情景をイメージさせる描写が多いので、岩井俊二あたりが監督をして、映画化でもしてみたら、とても美しい映像作品になるのかもしれない。
自分にも、燃え殻さんやあいみょんのような表現力があれば、わたしのなんてことない、鬱屈とした日常も、こんなに光り輝いたイメージを持たせることができるだろうか。誰かを認め、誰かを生かしてあげられるだろうか。いや、違う。きっと誰よりも自分を認め、生かしてあげたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2018年12月22日
- 読了日 : 2018年12月22日
- 本棚登録日 : 2018年12月6日
みんなの感想をみる
コメント 1件
大野弘紀さんのコメント
2020/06/21