ボクたちはみんな大人になれなかった (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2018年11月28日発売)
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感想 : 369
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どんなに小さな出来事だって、ねえねえ聞いて、と言える人がいるからこそ、小さかった出来事に、ちっぽけな自分に、輝きが増す。生きてていいんだな、と思える。

大手書店の片隅で、ヴィレッジヴァンガードの一番目立つところで、他の作品とは異なる光を放っている、そんな作品でした。まるで秋に蛍を見つけるような。

たくさんのアーティストが、自分の生を表現した作品で溢れている現代社会。もしもわたしが20代前半だったら、もっともっと刺さってきたかもしれない。同類の作品に触れてきたアラサーには、少しだけ、むず痒さと「どこかで聴いた何か」を感じてしまう作品でした。エンターテイメント作品とは異なり、頭の中で景色・情景をイメージさせる描写が多いので、岩井俊二あたりが監督をして、映画化でもしてみたら、とても美しい映像作品になるのかもしれない。

自分にも、燃え殻さんやあいみょんのような表現力があれば、わたしのなんてことない、鬱屈とした日常も、こんなに光り輝いたイメージを持たせることができるだろうか。誰かを認め、誰かを生かしてあげられるだろうか。いや、違う。きっと誰よりも自分を認め、生かしてあげたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2018年12月22日
読了日 : 2018年12月22日
本棚登録日 : 2018年12月6日

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コメント 1件

大野弘紀さんのコメント
2020/06/21

本の感想は
とても稀有な

素晴らしい表現になっていると

私は思いますよ。

とても正直な、真実の言葉たち。

私には、とても美しく輝いて、見えています。

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