地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)

著者 :
  • 中央公論新社 (2014年8月22日発売)
3.54
  • (72)
  • (224)
  • (215)
  • (43)
  • (11)
本棚登録 : 2228
感想 : 264
5

限られた人の学術問題だった人口減少を、一気に政策課題、社会課題に引き上げた(というよりブームにした)本をようやく一読。
この問題に関心のある人にとっては大きなテーマはすでに馴染みがあるけれど、馴染みがあるものにしたのが2014年のこの本だとも言える。
ポイントは、やはり具体的に消滅する自治体の名を挙げたことだろう。自分ごと化させるにはこらは取るべき手法。

政策支援で出生率は上げられても、手を打つのが遅いと効果は出ない。なぜなら子どもを産む若い世代の女性の絶対数が減ってしまっては、一人当たりのこどもの数が増えても焼け石に水だから。だからこそ一刻も早く、と言っているうちに時代はコロナ禍に、、、

すべての自治体を均等に救おうとしても不可能、せめて各地方の拠点都市を人口流出の防波堤に、すなわちダム化する、という指摘も考えさせられる。

個々人の生き方に関わる問題だけに意見を言うにはデリケートさが必要なテーマだし、実際いろいろな考え方があってよいが、こどもを産みたい、育てたい、という望みを持つ人のことを社会全体で応援すること、くらいは実現できる国力を維持できないものか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年9月23日
読了日 : 2022年9月23日
本棚登録日 : 2022年9月23日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする