大惨事はなぜ常に“想定外”であり、不幸の予言は聞く耳を持たれないのか――という帯のフレーズに惹かれて購入。
本書でツナミは必ずしも津波を指すものではなく、災厄の総称として扱われる。故にリスボン地震に始まり、ヒロシマ、ナガサキ、アウシュビッツ、9.11そしてスマトラと原因が自然、人に依らず災厄の例として並べられる。
この本の正しい解釈とは思いませんが、印象に残ったこと2点。
■自然災害で被害に遭うのはあくまで人工物、もし都会の人がより身軽に分散して住んでいたら被害は少かったはず、また無人島であれば被害はない、つまり完全なる自然災害はなく、多分に人災の要素がある。
■人類は原子力を発明し、遂に自らの滅亡の手段を手に入れた。
災害直後、某知事の失言。災害を自然からの報復、神の警告として捉える神義論は不幸に直面した人間精神の普遍的形式だそうで、実はライプニッツを読んでいたのではないかという仮説。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
■哲学・思想
- 感想投稿日 : 2012年7月11日
- 読了日 : 2012年7月11日
- 本棚登録日 : 2012年7月11日
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