老ヴァレリーの真骨頂。断片的なテクストの寄せ集めが、ドガの人となりを表し、その芸術を伝える。ドガにとって芸術とはどんなものだったか、それをヴァレリーは自身の芸術観を全面に出して語る。友人ドガとの思い出という個人的なできごとを語るこの本は、彼らが生きる時代の芸術の潮流という大局的なできごとを語る本でもあり、それがヴァレリーの思索のなかで自然に溶け合っているのだ。ヴァレリーの知性はとてもバランスがとれている。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
思想 <原書>
- 感想投稿日 : 2011年2月12日
- 読了日 : 2011年2月12日
- 本棚登録日 : 2010年5月5日
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