『書きたい人のミステリ入門』でミッシングリンクの好例として紹介されていた本。
曰く、「極め付きのミッシング・リンク。表面上はまったく無関係で複雑に見える現象も、突き詰めればここまでシンプルになるという好例」
3段階のオチはなるほどという感じ。
ただ、叙述トリックに過ぎるというか、明らかにミスリードを狙いすぎた文章(街には赤毛の女が多いとか、それぞれの描写とか)がちょっと鼻につく。
文章のマズさも、小説としての面白さを棄損してはいたと思う。そのために名探偵に感情移入できず、真犯人の候補にもあがった。
ひとつのパターンとしては参考になった。
推理小説はトリックのための小説なので、まじめに考えるというより、色んな可能性を考えてしまう。それでも今回のオチは想像できず、だからこそ(色んな可能性を読者が巡らせたにもかかわらずであるからこそ)、どんでん返しの意外性は生きるのだろう。誰が犯人でもおかしくなさそうな描写はそのためか。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説:その他
- 感想投稿日 : 2021年7月7日
- 読了日 : 2021年7月5日
- 本棚登録日 : 2021年7月7日
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