「クリスマスに少女は還る」のオコンネルの作品。
分類は一応ミステリではあるが、謎そのものよりもアメリカの村社会や人間関係をを描き出すことに重点が置かれているように感じた。実際、中心となる謎よりも、各人の言葉を通して語られる過去のエピソードの方が魅力的で読み進んだようなものだ。
しかし「クリスマス~」といいこの作品といい、主人公の美貌の青年よりも、脇役の中年女性の方が生き生きとして映るのが面白い。
オーレンのかつての恋人であるイヴリンや、中盤から出てくるサリー・ポーク。そして一番魅力的だったのは勿論"超人"ハンナ。彼女達の作中での姿が強烈で、正直オーレンの印象が薄れてしまったほど。
あとはオーレンの幼い恋のエピソードはどれも甘酸っぱくてよかった。……ただ、その相手の現在の振る舞いには正直ひくが。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
海外作品
- 感想投稿日 : 2013年6月2日
- 読了日 : 2013年4月11日
- 本棚登録日 : 2012年9月14日
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