目の付け所がとても独特で、シュールなんだけど日常の延長線上にあって堅実。それを、誇張せずに書くのがとても上手だなと。話の脱線のさせ方も非常に上手い。技巧派の作家さんだと感じた。ちょっとエッセイに近くて、作り込まれ過ぎていなくて、どんでん返しもなくて、でもそれで成立している世界。ただ腹立たしいのが、背表紙に書いてある紹介文。「身近にある場面をこれぞとばかりに素材にした、抱腹絶倒、爆笑清水ワールド決定版」というフレーズ。本当にセンスがない。この小説を読んで抱腹絶倒、爆笑する奴がいたらそれはもう病気です。せいぜいニヤリとする程度。むしろ、それが売りなのに。こういう誇大広告が作品の持ち味を殺すということを、知らないのだろうか。これを書いた人間のことが、心底気に入らない。
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- 感想投稿日 : 2017年10月30日
- 読了日 : 2017年10月30日
- 本棚登録日 : 2017年10月30日
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