ミステリーを通して少年法の在り方に一石を投じる作品。今まで、社会に問題提起したいのなら、ミステリーというエンタメ要素を加えたら途端に軽薄な色が濃くなってしまって、問題提起そのものが不謹慎になってしまうと考えていた。しかし、この作品は、ミステリー要素はあるのだが、それは読者を物語の中に誘致し、ページをめくらせ、そして少年法に対する認知と興味、さらに言えば、思い入れを強めるためなのだと感じた。だからこそ、少年法に対する認識も変わるし、社会に投石できる作品。大概は、トリックありきの付け足し問題提起を、さも社会的価値のある作品です!と仰々しく売り出す小説があって、鼻白んでいたが、これは、それらとは完全に一線を画している作品でした。さすが、貫井徳郎。師匠と呼びたい。
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- 感想投稿日 : 2017年4月8日
- 読了日 : 2017年4月8日
- 本棚登録日 : 2017年4月8日
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コメント 1件
shugoshugoさんのコメント
2017/04/10