富士山噴火と南海トラフ 海が揺さぶる陸のマグマ (ブルーバックス)

著者 :
  • 講談社 (2019年5月16日発売)
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日本列島の中には3枚ものプレート(北米、ユーラシア、フィリピン海)が重なり合う地球上でも極めて珍しい場所がある。
そんなプレートが引き裂かれる場所に富士山はある。
こんな場所だから噴火を繰り返し造られたのが富士山だ。
「日本を代表する」と言われる富士山は、実は特異な性格を持つ「巨大」な活火山だということを忘れてはならない。

富士山噴火の影響を受ける東京に住んでいると、最も長期的に被害をもたらす火山灰に怖さを感じる。
火山灰は細かいガラスの粉で、積もれば雪のようには融けてくれない。
水を含めば粘土のように固まる。よって洗い流そうとすると下水管が詰まる。
エアコンや車のフィルターが詰まり故障する。
気管や肺が傷つけられる。農作物がやられる。太陽光が遮られる。、、、などなど。

300年前の宝永噴火の時代とは異なり、複雑に発達した現代のインフラが機能マヒに陥る恐れがある。
しかしながら危機管理に過剰なコストはかけられないので、起こってから「想定外」と言い訳するしかない役所や企業が大多数なのだろうな。

今日も、明日も、明後日も、大地震と大噴火が起きませんように!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2019年7月14日
読了日 : 2019年7月14日
本棚登録日 : 2019年6月1日

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