私たちが星座を盗んだ理由 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社 (2014年4月15日発売)
3.50
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本棚登録 : 2511
感想 : 202
3

5つからなる短編集。
それぞれに繋がりはないけれど、そのどれもが少し不思議な、少し不穏な空気を纏った5つの物語。

恋煩い
恋する少女が誰しも通る〝おまじない〟と言う通過儀礼。一人称で進むので、少女の知らぬところで何かがあるなという期待を裏切らない展開ではあるけれど、ちょっと上手く行きすぎかな。

妖精の学校
これはなかなか難解。見知らぬ部屋で目覚めた少年は自分の名前を思い出すことができませんでした。妖精の学校でおこるあれこれ。ではあるけれど…結果、リドルストーリー。謎。
(考察が検索で出てくるけど、だから?とさらに悩む笑)

嘘つき紳士
借金に追われた男が、携帯電話を拾ったことにより、犯罪行為に及んでしまう。嘘つき紳士というより嘘つき野郎なんだけど(笑)所詮はキツネとタヌキ。ちょっと上手く行きすぎかな。

終の童話
人を石に変え食べてしまう怪物、石喰い。
昔々のこと、小さな田舎の集落が〝石喰い〟に襲われ、村の人たちは次々と石にされてしまった。
それから10年、かつて少年だった青年は、愛する人との〝別れ〟にどうケジメをつけるのか。

私たちが星座を盗んだ理由
幼い私の恋心。幼い私の寂しさ。恋も寂しさも人を惑わす。優しい姉と幼馴染の彼。2人の間で揺れ動く少女がしたこと。
星座トリックは面白いけど小学生にはどうかな。

どれもストーリーは面白いのだけれど、詰めが今一歩という感じでした。ドンデン小説というよりイヤミス小説。いろんな意味でモヤッと…(^^;;

今年の28冊目

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 北山猛邦
感想投稿日 : 2022年9月8日
読了日 : 2022年9月8日
本棚登録日 : 2022年9月8日

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