コレットは死ぬことにした 1 (花とゆめコミックス)

著者 :
  • 白泉社 (2014年7月18日発売)
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本棚登録 : 201
感想 : 14
5

現在人気の長寿漫画も、最初は連載いつ打ち切られるかわからないようで、なかなか大変だなあと思う。「コレットは死ぬことにした」は逆に読み切りから長寿連載になったようなので、悪霊が文句をいう声が住居まで聞こえてくるような最初の冥府の雰囲気とちょっと変わっているけど、ほかはけっこう矛盾なく展開できていると思う。

ギリシア神話をベースに借りているとのこと。かつてこども向きのギリシア神話を読んだ感じでは、人間の身勝手さを膨張させて詰め込んだようで、ゼウスからしてあちこち愛人をつくってこどもを産ませて、その愛人や隠し子がヘラに殺されたり呪われたりするのは放置して、まったく共感できなかったのだけど、よく少女漫画向けに改変したと感心する。

神様は不老不死だけど、病気にはなるという設定もギリシア神話なら納得できる。愛人つくり放題のギリシア神話の神様の中でハデス様は、浮気相手はメンテーくらいしかいないし、妃のペルセポネはさらってきたけどなかなか手を出さずに丁寧に扱ってウブなところがあるし、一番共感できるキャラかも。

全体にふわふわとして、いろいろあるけどたぶんハッピーエンドに着地できるだろうと安心して読めるファンタジー。ペルセポネは妃になってからも地上と冥界を行き来していたはずだし、どう着地するかはまだわからないけど、冥府ではザクロが育っているし、デメテル様ともいつか再開するだろうし、17巻+αまで進んだけど、今後が楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2020年12月27日
読了日 : 2020年12月25日
本棚登録日 : 2020年12月25日

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