うん、納得。
下巻を読みながら、どんどんキーワードが繋がっていくのが分かる。
この作品は、下巻あってのもの。
娯楽作品ではないので大団円という表現は妥当ではないが、ジュブナイル独特の切なさと希望を残して締めくくった。
上巻のレビューでも少し触れたが、このお話の舞台が英国東海岸であることが、雰囲気を盛り上げるのに良い役割を果たしている。
しめっ地、入り江、シーラベンダー、古いボート、錨、家の裏と表、などなど。
潮風の吹きぬけるこの環境で、アンナの心がどのような変化を遂げたか。
アニメでどこまでそれを表せるか、とても興味深い。
自分にとっての「外側」と「内側」という表現も分かりやすく、この部分に共鳴するひとが多数存在しそう。
でもこれってアンナだけの感覚ではなく、すべてのひとに共通のものだろう。
転地療養した家の「ペグおばさん」や、そこで知り合った家族の「ミセス・リンゼー」の好感度が高く感じるのも、その年頃ならではのこと。
だって、「よそのひと」だもの。当然身内よりは良く見える。
私はむしろ、養親の「ミセス・ブレストン」に限りなく共感した。
大変だったろうなぁ、よほどの愛情がないと育てられないもの。
終盤、この養親とアンナも分かり合えるけど、どうかその部分も手抜きせずに描いてもらいたいものだ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
児童書
- 感想投稿日 : 2014年4月20日
- 読了日 : 2014年4月18日
- 本棚登録日 : 2014年4月17日
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