図書館の利用法や提供しているサービスについてまとめた本。
「図書館に訊け」や「図書館のプロが教える調べるコツ」なども紹介してきたが、本書はひと味違う。より具体的、実践的。
しかも大変読みやすく分かりやすい技アリ!の一冊。
著者は、出版社と新聞社の勤務を経てフリーライターとなり、桃山学院大学(大阪府)で社会人向けの司書講習を受講し、司書資格を取得。
そして「ほとんどの人が図書館を使えない理由」が分かったという。
本を借りているだけでは図書館は永久に使いこなせない。
私たち利用者はもっともっとアグレッシブにならねばと説く。
そこで、図書館を使い倒すにはどうしたら良いかを教えてくれる。
図書館員さんには常識かもしれないが、本を借りているだけでは知りえないことをひとつ。
本の背表紙下部に貼られたシールの見方だ。
ちなみにこの本は「015オ」だが、左端の「0」だけ分かると棚も見やすくなる。
NDC(日本十進分類法)は全国共通なので、どこの図書館でも探せるということ。
今更だけど載せてみよう。
0:総記(百科事典や図書館学もここ)
1:哲学(思想書・宗教書・自己啓発もここ)
2:歴史(地理、旅行ガイドもここ)
3:社会科学(法律・経済・統計学・経営学も)
4:自然科学(宇宙・地球・動植物といったネイチャー系。医学もここ)
5:技術(工業・土木・機械・製造。料理や手芸もここに入るので注意)
6:産業(農業・商業・畜産・マーケティング・運輸。鉄道・船・飛行機まで)
7:芸術(絵画・音楽・スポーツ・将棋・マジック等の趣味の本)
8:言語(日本語と外国語にまつわる本。語学の本はここに集中)
9:文学(小説・エッセイ・詩などの文芸作品)
どれほど蔵書があろうと、この10種の分類というのが基本。
では右ふたつの数字は何かというのは、本書を読まれたし。
NDCの大分類でうまく探せない本はOPAC(オンライン蔵書目録)を使う。
よく「検索コーナー」と表示されたところに端末が置いてある。
NDCの分類番号をここで呼び出し、あたりをつけたら再び棚見(棚をじっくり見る)。
これを交互に行うことで潜在ニーズにピッタリの本を見つけ出せるということだ。
検索なら家でも出来ると思われそうだが、だいぶ違う。
私たちがキーワードを入力して出てくる情報はすでに使い古されたもので、誰もが見ている情報だ。かたや図書館で得た情報は、私だけの問いに対する私だけの答え。
しかも「求めていると自覚さえしていない情報にも出会える」。
あらゆる情報が無料で、その上プライバシーはしっかり守られている。
どんな本を読んだか、いつどのように利用したか決して漏れることはない。
学校に行けない子が図書館にこっそり行っても、親や学校に密告されたりもしない。
安心して本を読める。でも勉強目的で利用するときは気を付けてね。
一冊でもいいから図書館の本を棚から引き出して広げ、それから勉強すること。
他にも様々な秘技(?)が掲載されている。
とりあえず私が気になった箇所だけ載せてみた。
皆さんはどの部分がお役立ちだろう。きっとたくさんあって迷うに違いない。
- 感想投稿日 : 2020年12月14日
- 読了日 : 2020年12月13日
- 本棚登録日 : 2020年12月14日
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