ウンゲラーの挿絵が綺麗で可愛いけど、そこはかとなく怖さもある。展開は、??これでいいの??というとぼけた味。
人食い鬼が、料理上手な少女・ゼラルダの作る料理で、人間の子供を食べることを忘れてしまったという話。
丁寧に、作ったお料理の紹介までしてくれてある。
いやぁ、これだけ手作りで並べられたら鬼生観も変わりますよ(笑)
ラストでは、ゼラルダと人食い鬼は結婚して子供までいるんである。この最終ページの絵には、あるモノが描かれている。それがちょっとしたブラックユーモア
そんな、まさか・・の、とっても可笑しなお話。
怖くてぞっとしながらも、何だか笑ってしまい、後で考えさせられる。
ウンゲラーがこの作品に託したものは?人喰い鬼とは何か?
ぜラルダという少女の何という寛容さ。こうありたいものであるよ。
ただ許しましょう・受け入れましょうではなく、誰にも負けないスキルがあるというのが凄い。
元のゼラルダの家で飼われていた黒猫も、ちゃんと一緒にお城に棲みついているのが、また何とも微笑ましい。
誰かの人生をころっと変えてしまう。そんな料理を作ってみたい、いや食べてみたい。
約12分。低学年から大人まで。
(7分とか8分で読んでしまうひとって、どんな読み方しているのだろう?不思議・・)
それにつけても、フランスのお話には人喰い鬼がよく登場するなあ。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
トミー・ウンゲラー
- 感想投稿日 : 2012年9月18日
- 読了日 : 2012年9月18日
- 本棚登録日 : 2012年8月24日
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