同じくかこさとしさんの名作。
「からすのパンやさん」と僅差で4位の人気だった本。
小学生になっても、幼い日に読んだ本というのは安心感の固まりらしい。
表紙を見せたとたんに「あー、懐かしい!」と一年生に言われた時は吹きだしそうだった。
ちなみにアンケート用紙は全ての小学校共通。
各クラス30人ほどで、ひと月に7校ずつ回り年間12回。
「だるまちゃん」も「てんぐちゃん」も、今の子たちには本当に昔のもの。
それでも身近に感じてくれるのは、かこさんの描き方の素晴らしさだ。
てんぐちゃんの持っているものが、次々に欲しくなるだるまちゃん。
大好きなお友だちだもの、同じ格好がしたくなるよね。
だるまちゃんの家族は、子どものだるまちゃんのために毎度毎度大奮闘する。
欲しいと言われるたびに、おうちにあるだけのモノを並べてあげるのだ。
この、たくさんのモノの中から選ぶ時の楽しさと言ったら!!
そして、何とか形だけでも似せて登場しただるまちゃんを、その都度褒めるてんぐちゃんも、本当にやさしくて良い子。もう、なんて可愛い二人だろう。
かこさんて、子どもというものを本当に良く知っている。
うちわ→ぼうし→はきもの→鼻・笑。 この「鼻」が笑いどころ。
とうとう完成した(?)だるまちゃんと嬉しそうに手を繋ぎ、ふたりの笑顔で終わる。
初版が1967年だから、もう50年以上も前のお話ということになる。
でも古臭さは全くない。むしろいつの時も変わらない子供像を見るかのようだ。
天国のかこさとしさん。
あなたのお話は、これからもずっと子どもたちに愛されていくことでしょう。
- 感想投稿日 : 2019年3月28日
- 読了日 : 2019年3月28日
- 本棚登録日 : 2019年3月28日
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