子供の頃確かに読んだはずなのに、まるで違う感想を抱いたことに、我ながら驚く。
なんて清らかな世界なのだろう。
切ないだけではない、高い精神性を感じる作品だ。
女の子は、幸せの中で息絶えた。
誰も知りえないそのことを、アンデルセンは描きたかったのかもしれない。
とりわけラストの4行は秀逸で、この描写があるからこの一冊が光っている。
挿絵はややクラシックな趣で、お話に非常によくマッチしている。
おまけにアンデルセンと同じデンマーク生まれの画家さんで、1978年には国際アンデルセン賞画家賞を受賞している。
何だか素敵な偶然だ。
アンデルセンの素話をひとつ覚えようとしただけで、このお話に再会することができた幸運を味わっている。
もうひとつ、最終ページの挿絵で、アンデルセンに非常に良く似たひとが女の子をのぞき込んでいるのを発見。
画家さんから読者への、ちょっとしたプレゼントかしら。
私がそう思うだけかもしれないが、もし本当だったら何だか楽しい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本・冬
- 感想投稿日 : 2016年5月27日
- 読了日 : 2016年5月27日
- 本棚登録日 : 2016年5月27日
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