粘膜兄弟 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2010年5月22日発売)
3.72
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本棚登録 : 559
感想 : 61
4

飴村さんが上手くなったのか、読んでるコチラ側が
麻痺して馴れてきたのか分からないんですが、もう
既にこの世界観を普通に、当然の如く受け入れてしまって
いる自分がいます。というか...前2作に比べて、所謂鬼畜っぷりや
ぶっ飛んだ描写などは少し控えめになっていて、今作の
主人公の「磨太吉」「矢太吉」の双子兄弟が、割と普通な
人間に感じることすらあるんですけどw。

しかし、その分本筋であるストーリーが壮大になりつつ、
しっかり飴村作品として収拾するラストはもはや、唯一無二
なんではないでしょうか? 行き当たりばったりで展開されて
いるようでいて、しっかり伏線(なのか??)も回収するあたりは
所謂ミステリ畑の読者も惹き付けるものを持ってますよね。
単純にエログロ好きなサブカル寄りや、スプラッタなホラー
寄りのファン以外をも、面白がらせてる所以ではないでしょうか?

それにしても今作で登場する「ヘモやん」の存在の大きいことw。
こういうキャラを書かせたら本当に天下一品。ある意味、この
キャラが全てを持っていってしまいそうなのに、そうせず、印象的な
存在としてのみ扱うセンスが凄い。
あり得ませんが...実写化しても、この役を受ける俳優なんて
絶対にいないと思うw。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家あ〜
感想投稿日 : 2011年5月11日
読了日 : 2011年5月11日
本棚登録日 : 2011年5月11日

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