聴き屋の芸術学部祭 (ミステリ・フロンティア)

著者 :
  • 東京創元社 (2012年1月27日発売)
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本棚登録 : 372
感想 : 75
3

日芸出身の新鋭作家さんのデビュー作。
自身の学生生活がモチーフなのか、ここで
登場する人物たちも芸術学部に属する
変わった面々。 主人公は文芸サークル所属の
生粋の無害体質から、人の話をただ聴くだけの
「聴き屋」の異名をとる。そんな彼のもとに
様々な事件が持ち込まれたり、巻き込まれたり。

今作は4編が収録されていますが、日常の謎と
殺人事件の半々。大学生という設定上、やはり
殺人事件に巻き込まれるのは...さすがに
不自然であり、さらにそれに冷静に対応する
彼等には違和感が残ってしまいます。
日常の謎に絞った方が良かったような気もします。

ですが、どの事件も解決至る手法としては
ロジカルに拘った展開で丁寧かつ、会話という
手法によって分かり易く読ませてくれます。
その自体もポップで軽妙でユーモラスで
巧みに引き込まれます。さらには現代風の
学生達のキャラも厭味なく書かれていて
非常にスマートな印象。

続編も予定されてるようで...
広く受けそうで人気出そうですよ?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 国内作家あ〜
感想投稿日 : 2013年2月18日
読了日 : 2013年2月18日
本棚登録日 : 2013年2月18日

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