大正×対称アリスepisode1 通常版

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感想 : 3

大正×対称アリス。
エピソード1とあるようにこれは一番最初の物語であり、王子様を救うお姫様の話になります。
文章はクセがあり、また主人公に自己投入するようなものを望んでいる方にはあまり合わないかもしれません。
人によって好みは別れる作品だと思いますが、私としては十分満足です。
公式で体験版がやれるので、気になるなぁって思った方はそちらをまずやってみて頂ければ良いかと思います。
エピソード1では攻略対象はシンデレラと赤ずきんの2人だけで、共通部分は最初の5~10分程度のイントロダクションのみです。
その後、どちらを選ぶか?と選択肢が現れて攻略キャラを選ぶ形式です。

体験版でイントロダクションはできるのでそこの感想はあえてしません。
◆シンデレラ編
借金が残りながらも贅沢な生活をやめられないシンデレラ。
その婚約者になったありすはシンデレラがどういう人間なのかを知るために彼に近づくことになる…。
シンデレラがどうして贅沢な生活を続けるのか、煌びやかな生活をし続ける彼の本当の心を知って彼を救うことになります。

◆赤ずきん編
己の罪を認めろという脅迫状が送られ、警察官である赤ずきんに身辺警護をしてもらうために何日間か一緒に過ごすことに。
脅迫状を送った犯人から守ってくれるという赤ずきんですが、そんなことよりありすは赤ずきんさんが気になっており…。
罪を犯したのは誰か?そしてその罪を許し王子様を救うお話になります。

***
シンデレラに気付かせるために取った主人公の行動は何というかヒロインなのにヒーロー!という感じでした。何より魔法使いに「勝負に勝つためならどんな卑怯な技もズルも魔法(奇跡)も使いこなしてみせる」って思っちゃう所とかかっこいいなって思いました。この台詞はエピソード3をやった後に見るとそうだな~って本当に思います。
何もかもがあったシンデレラは父がいなくなったのをキッカケにすべてを失い、物を何か買っては自分は何もないわけじゃないと自分を誤魔化していたのだと思うシンデレラはずっと孤独だったんだろうなと思います。
その孤独を埋め、また何もなくても自分を愛してくれる存在がいることでシンデレラは自分を肯定できた、救われたのだと思うと王道な物語ですね…。
赤ずきんのために主人公がした事は上の台詞にもあるようにどんな事をしてでも勝ってみせるという事を体言した感じがします。脅迫状や事件の出来事などはあっさりとネタ晴らしがあるので、それさえわかってしまえば納得です。
赤ずきんは純粋で、さらに孤独であったこと、母の言いつけを破った事でこの事を誰にも言えず自分のなかで大きな罪として残っていたのだと思います。
今回の罪を許したのは主人公が許したのも大きな要因だと思いますが、二度と過ちを繰り返さないと赤ずきんが立ち直ったのが決定的だと思います。バッドエンドだともう立ち上がれない…っていう感じになりますしね。
赤ずきんでは主人公が彼を立ち直らせるために背中を後押ししたっていうイメージがあります。
エピソード1では伏線が気にならない程度にいくつかばら撒かれていますがこの独立した二つだけの話だけでも十分楽しめると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ゲーム
感想投稿日 : 2015年11月19日
読了日 : 2015年11月18日
本棚登録日 : 2015年11月18日

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