ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。 (100周年書き下ろし)

著者 :
  • 講談社 (2009年9月15日発売)
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本棚登録 : 3219
感想 : 605
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辻村深月さんの作品は、もちろん冒頭から面白いけれど、後半に入ってからの展開は本当に読むのを途中でやめられなくなる。

つらいシーンの心理描写がすごくリアルで、チエとチエのお母さんの事件当夜の喧嘩や冒頭のチエの気持ち、お母さんを失って泣くラストシーン。読んでいるのが本当につらかった。
親子って時に難しいんだな。年齢を重ねるごとに、子どもと親が真剣に話し合う機会は増えるから、お互いの考えの違いにショックを受けることはありそう。自分のこととして考えると、相当きついなと思った。

物語のキーとなる赤ちゃんポスト。赤ちゃんポストって、「みんながもっとハッピーに!」というものではなく「悲しむ人、犠牲となる子が一人でも減りますように」という想いでできているものだと思う。
赤ちゃんポストを作ってくれた人、運営してくれている人にはもちろん感謝しかないけれど、赤ちゃんポストが存在しない世の中になってほしい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年12月19日
読了日 : 2022年12月19日
本棚登録日 : 2022年12月11日

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