作中、主人公である浮浪者の一人が、ウィリアム・バロウズで知られるイスラムの暗殺集団の始祖の言葉を引用して子供たち相手に曰く、
「ハサン・イ・サッバーは言っている
“真実などない すべては許されている”」
「じゃあさじゃあさ
それってなにしてもいいってこと?」
「子供の陥る罠がそれだ
“ゆるされる”と“可能”は違うということを知らねばならない」
これって、何年か前に流行った
「なぜ人を殺してはいけないのか」
っていう議論の最良の答えのような気がする
やはり作中、別の主人公の浮浪者が姥捨てジジイと仲良くなるが、
目の前で、嫉妬に狂った老婆にジジイが刺されて発する言葉、
「わがらんなー」
は、聖書のルカ伝23、イエスが十字架に張り付けにあった際に言う言葉、
「父よ、彼らを赦したまえ、その為すところを知らざればなり」
を思い起こさせる。
たぶん、誰も知らなかったのだ。神のみぞ知る。
人間関係に悩んだ時、読みます
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- 感想投稿日 : 2011年10月7日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2011年10月6日
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