円紫さんの推理によって真相が露わになったとき
そうだったのかのすっきりを上回る苦しさに視界が歪み、へこんでしまった。
一瞬の重さが時の連なりを断ち、まったく違うものに変えてしまう。
ぞっとするけれど、これからもそんな世界のルールを全うする。
過ちを真剣に叱ってくれる友達、真剣に心配してくれる人、20歳くらいのときの自分にとってのそういう人を不意に思い出してた。
今思い出しても愉快でどこか不安定だったのかも知れないあの頃。
〈私〉の語りは相変わらずリズミカルで心地よい。
感傷に酔わない聡明さが眩しい。人生に対して誠実だと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年7月3日
- 読了日 : 2020年7月3日
- 本棚登録日 : 2020年7月3日
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